じゃがいもは、栄養豊富で料理によく使われますよね。
しかし、芽が伸びたり緑色になったりすると、ソラニン・チャコニンという毒素が生成され、食中毒を引き起こす可能性があります。
- 「じゃがいもの芽の毒性ってどんなもの?」
- 「じゃがいもの芽を取り除いて安全に食べるためにはどうすればいいの?」
そんな疑問を抱いている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、じゃがいもの芽の毒性と安全な取り扱い方について、わかりやすく解説します。
芽を取り除く方法や、芽が出ていないじゃがいもの保存方法なども紹介するので、ぜひ参考にしてください。
じゃがいもの芽にはソラニン・チャコニンという毒素が含まれている
ソラニン・チャコニンの毒性
ソラニン・チャコニンは、じゃがいもの芽や皮、緑色になった部分に含まれる天然毒素です。
消化器系の炎症や嘔吐、下痢、頭痛、めまい、意識障害などの症状を引き起こす可能性があります。
ソラニン・チャコニンは、植物が自己防衛のために生成するアルカロイドで、食べた時のえぐみのもとになります。
芽や皮、緑色になった部分には、光や温度によってソラニン・チャコニンの生成量が増加します。
以前、私の知人はじゃがいもの芽を食べてしまい、腹痛と下痢を起こしたことがあります。
そのときは、料理中に芽を取り除き忘れてしまい、そのまま調理してしまったそうです。
食べた当日は特に異常はなかったようなのですが、翌日になって腹痛と下痢が始まり、すぐに病院を受診したところ、「ソラニン中毒」と診断された、とのことでした。
幸いにも命に別状はありませんでしたが、とてもつらくしんどい思いをしたそうです。
知人のこの体験を聞いてからは、じゃがいもの芽の毒性について改めて学び、今では芽を取り除く際には特に注意するようにしています。
ソラニン・チャコニンの量
じゃがいもの芽の量が多いほど、ソラニン・チャコニンの量も多くなります。
芽が1cm以上伸びていたり、緑色になっていたりすると、ソラニン・チャコニンの含有量が多くなっている可能性があります。
農林水産省によると、
体重1kgあたり1mg以上摂取すると、食中毒の危険があり、さらに3〜6mg以上摂取すると死の危険があるとのこと。
たとえば、体重50kgの人だと50mg以上で食中毒になりうる、ということです。
緑色になった皮には100gあたり100mg以上、じゃがいもの芽には100gあたり200〜730mgも含まれているというのですから、けっこうあぶないですよね。
ただし、下記の記述からは、それほど心配しなくてもよさそうです。
じゃがいもは食経験がある野菜であり、適切に栽培・収穫・流通・調理された、グリコアルカロイドの濃度が一般的な範囲(2~10 mg/100 g)のじゃがいもであれば、食べても健康上の懸念はないと考えられる。
ソラニンやチャコニンによる健康影響(農林水産省)
じゃがいもの芽の安全な取り扱い方
芽の取り除き方
芽は根元からしっかりと取り除きましょう。
芽の根元には、ソラニン・チャコニンが多く含まれています。
方法
芽の根元を切ります。
芽の周囲の皮を少し厚めに切り取ります。
芽の切り口をよく洗います。
皮の厚さ
芽が出ていないじゃがいもでも、皮を厚めにむいて食べましょう。
光に当たると、皮にソラニン・チャコニンが生成されます。
芽が出ていないじゃがいもは、皮を1mm程度残してむきましょう。
保存方法
じゃがいもは、冷暗所に保存しましょう。
じゃがいもを保存する際は、新聞紙やキッチンペーパーなどで包んで、光に当たらないようにしましょう。
じゃがいもは、10度以下の冷暗所で保存するのが理想的です。
注意事項
芽が1cm以上伸びていたりする場合は、ソラニン・チャコニンの含有量が多くなっている可能性があります。
皮が緑色になっているじゃがいもは、食べないようにしましょう。
芽が1cm以上伸びているじゃがいもは、芽を取り除いてから食べるようにしましょう。
ソラニン中毒は、早期に適切な治療を受ければ、重篤な症状になることはほとんどありません。しかし、症状が重度になると、意識障害や死に至ることもあります。
まとめ
じゃがいもの芽には、ソラニン・チャコニンという毒素が含まれています。この毒素は、消化器系の炎症や嘔吐、下痢、頭痛、めまい、意識障害などの症状を引き起こす可能性があります。
じゃがいもを安全に食べるために、以下の点に注意しましょう。
芽は根元からしっかりと取り除きましょう。
芽が出ていないじゃがいもでも、皮を厚めにむいて食べましょう。
じゃがいもは、冷暗所に保存しましょう。