- 「『えぐみ』と『しぶみ』って言葉は似てるけど、どう違うのかな?」
- 「えぐみとしぶみってどんな意味なのかな。使い方も知りたいな」
こんな疑問をお持ちではないですか?
この記事では、えぐみとしぶみについての疑問を解決します。
具体的には、
- えぐみとしぶみの違いとは?【哲学的考察をします】
- えぐみとしぶみの【意味・使い方・代表的食材】の違い
- えぐみのあく抜きの方法
の順番に紹介していきます。
たった3分で読めますし、言葉について理解を深めることができるので、ぜひご一読ください!
えぐみとしぶみの違いとは?【哲学的考察をします】
結論から言うと、言葉が違うから、となります。
何を言っているのかわかりませんね。
以下解説していきますが、ちょっと難しい話を含みます。
前提知識:私たちは言葉を通して物事の意味を理解する
私たちは言葉を通して物事の意味を理解します。
たとえば、ここに棒状で先端が尖ったものがあった場合、それを何と表現するかにより、その物の意味や機能が異なってきます。
「ペン」「武器」「ゴミ」「おもちゃ」など、時と場合によって呼び方が変わるでしょう。
そして何と呼ぶかによって、書く、攻撃に使う、捨てる、遊ぶ・・・と使い方も変わってきます。
このように、非常にざっくりとした説明ですが、私たちが言葉を通して物事の意味を理解しているということが、お分かりいただけたでしょうか。
味を言葉で表すということ
では、
- 「この料理甘くておいしいね」
- 「苦すぎる!こんなまずい飯が食えるか」
など、味を言葉で表すとは、どういうことでしょうか。
たしかに、身体的に舌で感じるものはあります。
ですが、その感覚に、味としてどの言葉を当てるかで、意味は変わってくることになります。
標語的にいえば、「私たちは言葉を味わっている」のです。
すなわち、物を食べておいしい(まずい、辛い、苦い、甘い、しょっぱいなど)と感じるのは、おいしい(まずい、辛い、苦い、甘い、しょっぱいなど)という言葉があるから、ということです。
とはいえ、味に関しては、これまでの先人たちの歴史的に蓄積された知識があるので以下で参照していきたいと思います。(より込み入った話になります。)
味を感じる仕組みと科学的知識
私たちがおいしいなどと感じるのは、
- 舌で感じる味
- 匂いやコクなどの風味
- 食感や温度などの食味
- 外的・内的な環境要因
が構成要素となっています。
舌で感じる味は、「基本味」と言い、甘味、うま味、苦味、酸味、塩味の5つあり、互いが明確に区別できる味と定義されます。
これに対して、えぐみ、渋味、辛味はこの基本味に含まれません(基本味に対して「補助味」と呼ばれます)。
つまり、辛味や渋味、えぐみは味覚ではなく痛覚や温度覚で感じ取る味ということになります(厳密には「味」ではありません)。
そして、科学的な知識と相まって、この感覚に科学的なお墨付き、すなわち「確からしさ」が与えられます。
このように、えぐみ・渋味・辛味は、舌で感じた「何か」で、それに「確からしい」言葉が与えられたものということになります。
したがって、えぐみとしぶみ(渋味)が違うのは、言葉そのものが違うからということになるのです。
とはいえ、ただ単に言葉の違いを知りたい人もいると思うので・・・
えぐみとしぶみ、さらには苦味の違いについて、私たちが日常的に使う意味や使い方を次の項で解説していきます。
えぐみとしぶみの【意味・使い方・代表的食材】の違い
意味や使い方
それぞれの意味について、ごく一般的な意味を説明します。
えぐみ
えぐみは、舌にまとわりつくような感覚がする味です。
えぐみが強いと、舌がヒリヒリするくらいになります。
「たけのこはえぐみがあるので、下茹でしてから食べる」
というように、味覚を表すときは、舌の感覚のことを意味します。
一方、食べ物や飲み物の味を表すだけでなく、比喩表現としても使われます。
「彼はえぐいセリフを吐いた。」
というように、比喩として使う場合は、「①不快な、②辛辣な、③鋭い」といったことを意味します(この場合は②の意味)。
詳しくは、えぐみ・えぐいの意味と使い方を徹底解説!に書いているので、ご覧ください。
えぐみ・えぐいの意味と使い方を徹底解説!渋味
渋味は、舌がしびれるような味のことです。
また比喩表現として、派手ではないが、深みのある上品な趣のことを指して使うこともあります。
例:「彼は渋味のある役者だ」
苦味
苦味は、ゴーヤ、コーヒーなどの、舌を刺激するような味のこと。
また比喩表現として、①不愉快な心持ち、つらい心情、②男の顔つきについて、ひきしまった感じのすること、を表現する際にも使用されます。
例:「苦味のきいた、二枚目俳優」(②の意味)
代表的食材と原因(正体)
簡潔にまとめると下表の通りです。
代表的食材 | 原因 | |
えぐみ | たけのこ、山菜 | 灰汁(あく) |
しぶみ(渋味) | 緑茶、渋柿 | ポリフェノール、タンニン |
にがみ(苦味) | ゴーヤ | モモルデシン |
えぐみのあく抜きの方法
えぐみの正体は灰汁(アク)
たけのこなどの、えぐみの正体は灰汁(アク)です。
ちなみに、これは植物自体が、外的から身を守るために作り出しているという説があります。
たけのこなどのえぐみのある食材は、あく抜きをするとおいしく食べられます。
以下ではその具体的な方法について解説していきます。
あく抜きの具体的方法
食材によって、あく抜きの方法は異なります。
そこでここでは、えぐみのある代表的な食材であるたけのこについて紹介します。
詳しくは、「えぐみの意味は?苦味とは違う?原因と取り方をわかりやすく解説」を見てください!
えぐみの意味は?苦味とは違う?原因と取り方をわかりやすく解説代表的食材:たけのこ
たけのこのあく抜きは、
- 米ぬかや米の研ぎ汁を使って1時間煮る方法
- 生米を入れて1時間茹でる方法
- 【手軽】電子レンジで加熱する方法
があります。
詳しくは、【結局どうやるの?】たけのこのえぐみを抜く方法を徹底解説!をご覧ください。
【結局どうやるの?】たけのこのえぐみを抜く方法を徹底解説!まとめ
ここまでの内容をまとめると以下のようになります。
まず、えぐみとしぶみの違いについて哲学的・原理的な考察を行った。内容は、感覚と言葉と科学的な知識が相まって構成される、というもの。
次に、えぐみとしぶみの【意味・使い方・代表的食材】の違いについて、例文を入れながら解説。
最後に、えぐみのあく抜きの方法について、食材ごとに異なるため、代表的食材に絞って具体的な方法を解説。
えぐみとしぶみは、一般的な意味はあるものの、どうしても感覚を言葉にしている以上、そこにあいまいさを含むということがいえます。
モノによっては、えぐみなのか渋味なのかわからないものもあると思います。
このように、あいまいさを含んだものと知ったうえで、これらの言葉を使うといいかもしれません。
今回は以上です。
この記事が参考になれば幸いです。